川に落とした骨
一匹の犬がいた。
犬は橋の上から、川面にうつった犬の姿を眺めていた。
あの犬のくわえている骨がほしい くびをのばして骨をとろうとしたとき、 犬の口から骨は川に落ちた。
イソップ物語の橋の上の犬の話。
人の表情や人の評価ばかりを鏡にして自分をうつしていたら、 私は私がなんの価値も持たない存在だと思ってしまった。
私は私が本来もっていたものを忘れて、
私に足りないものを外にもとめて、
ずいぶんたくさんのものを失ってしまった。
鏡にうつった私の姿ではなくて、 ただ、ここにいる私を大切にしていこう。
コメント