HSP（ハイリー・センシティブ・パーソン）とは？
HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略語です。
HSPという言葉は、アメリカの臨床心理学者エレイン・アーロンが1996年に出版した本の中で初めて使用されました(Aron, 1996)。最近では日本でも注目を集めています。
日本では「繊細さん」と呼ばれることもあります。
私たちは、良い環境と悪い環境からの影響の受けやすさ(感受性)が一人ひとり違います。心理学の研究では、この違いを表す性格・気質的特性のことを「感覚処理感受性」あるいは「環境感受性」と呼びます(Greven et al., 2019)。HSPとは、この感受性がとくに高い人たちを表しています。
HSPは感受性が高いために、大きな音や強い匂いなどの刺激によって、ほかの人よりも不快な気分が高まりやすかったり、他人の感情に強く反応しやすかったり、子どもであれば家庭や学校環境などから「良くも悪くも」影響を受けやすかったりするとされています。
感受性が高いことによって、ストレスなどの不快な刺激から影響を受けやすく、その結果として心身の不調(例えば、不安やうつ症状)をきたすことはあるかもしれません。しかし、感受性の高さとそれによって生じる心身の不調は、別の概念として区別されて理解されています。
HSPの特徴
DOES（ダズ）と呼ばれるもので、この特徴がHSPを説明する根幹となります。
HSPの特徴・DOES（ダズ）
HSPの特徴は、DOES（ダズ）」という頭文字で表されます。
深く処理する
過剰に刺激を受けやすい
感情の反応（特に共感力）が高い
ささいな刺激を察知する
これを詳細に説明します。
１．深く処理する（Depth of processing）
深く考えすぎてしまし、そのため考える事に時間がかかってしまう。
没頭するあまり、知識が非常に深く広くなる。
背後にある事まで考えすぎて、社交辞令やお世辞を見抜いてしまう。
２．過剰に刺激を受けやすい
あらゆる刺激に敏感で、そのため、疲労してしまう
刺激だけでなく、相手の言葉や気分・機嫌にも敏感であるため、対人関係でどっと疲れてしまう
３．感情の反応（特に共感力）が高い
相手に感情移入しすぎてしまう
相手の幸せは自分の幸せであり、相手の不幸は自分の不幸と考えてしまう
相手の気持ち、立場に入り込み過ぎて、時にトラブルに発展する
相手もしぐさ、表情などに敏感で、相手の感情を過剰に読んでしまう
ドラマや映画の登場人物にすら感情移入して、見終わるとどっと疲れてしまう
神経細胞「ミラーニューロン」の活動が活発
生まれたときから境界を持てないケースがあり過剰同調性のために自身と他者との問題を自身の問題として同一しやすい
４．ささいな刺激を察知する
5感の感度が非常に高いため、音、光、匂い、肌触り、ボディタッチなどに非常に敏感、そのために仕事など日常生活に必要以上に疲れてしまう
敏感に察知するため、気が休まらず、イライラする
この４つが、すべて当てはまる方をHSPとしています。
HSP気質は、パーソナリティ障がいや発達障がいの特徴とも、重なる部分が多くあります。HSPが、病気であると誤解される一因にもなっているところです。
HSPの原因
HSP（Highly Sensitive Person）の気質が生まれる原因については、脳神経系の遺伝的な傾向が大きく関与していると考えられています。
HSPの人は、脳の情報処理系が通常の人よりも繊細で、外部からの刺激に対して過剰な反応を示す傾向があります。この特徴は、HSPの人が脳の情報処理系が過剰に刺激されることによって、ストレスや不安、疲れを感じやすくなる原因となっています。
過去の経験や環境も、HSPの人の気質を形成する上で重要な役割を果たしています。たとえば、幼少期に繊細な性格がある子どもが、過剰な刺激や批判的な言葉を浴びた場合、そのストレスに対して過敏に反応して、将来的にHSPの傾向を強くすることがあります。一方で、支えや理解があった場合には、そのままの性格を維持することも可能です。
HSPをどう受け止めればいいか
HSPは、病気ではありません。障がいでもありません。
気質になります。気質は、生まれながらに持っているものです。
そして、気質は、変えることが困難です。
例えば、明治時代に生まれたかったけど、平成に生まれてしまった。
これを、変えたい！といっても、変えることはできません。
これと同じように、HSP気質は変えることは出来ないのです。
HSPとしての自分自身を受けとめましょう。
自分を認めてあげて下さい。
変えられないものを変えようとする努力ほど、苦しくてつらいことはありません。
その苦しみは、必要ないのです。
私たちは、そんなHSPの方にカウンセリング・コーチングを提供しています。 一度、無料相談で実感してみてください。
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